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浪岡製作所は化学反応オートクレーブ、小型圧力容器のメーカーです。水熱合成、水熱反応、ナノ材料ゼオライト合成、亜臨界水、バイオマス、機能性材料評価等の高温高圧反応装置に実績が多いです。



TEL.
0282-21-8020

〒329-4306 栃木県栃木市岩舟町曲ケ島1378-2

オートクレーブについてABOUT AUTOCLAVE

水熱合成、ゼオライト合成、ナノ材料、バイオマス、亜臨界水、超臨界、機能性材料、重合反応、ガス還元、水添反応、ガス化処理、電気化学、腐食試験等、化学反応用オートクレーブについての解説ページになります。

オートクレーブとは

オートクレーブ(autoclave)とは、内部を高圧力にすることが可能な耐圧性の装置や容器のことを指します。
化学分野での化学反応を目的とした装置と限定した場合は、リアクター(reactor)と呼ばれることもあります。

オートクレーブの活用分野について

オートクレーブが活用される分野は、医学、バイオ(生化学)、素材、土木、調理や化学分野などの分野で使用されますが、オートクレーブという同じ呼称であっても大きさや構造、設置の仕方、使用目的、使用条件は多種多様で兼用されるものではないため、機器は異なるものです。
下記表は、各分野のオートクレーブの使用目的と使用条件等についての概要になります。


医学・バイオ(生化学)分野では、医療器具や薬剤、試薬などへの微生物の混入を防ぐために滅菌処理を目的として使用されています。そのため、滅菌用オートクレーブや高圧蒸気滅菌器等と呼ばれます。

素材分野では、CFRPのオートクレーブ成形など複合材成形を目的とした用途で、圧縮空気を用いて材料の加圧を行うことで気泡の発生を抑制し、均等圧力により品質の再現性や安定性が高く高品質な素材成形が可能です。反面、高コストを理由に近年ではオートクレーブ成形とは別の生産方法が導入されている様です。

土木分野では、コンクリートの養生を目的として、常圧より高い圧力下で高温の水蒸気を用いて行う蒸気養生をオートクレーブ養生と呼びます。オートクレーブ養生を行うことで養生直後に所要強度を有したコンクリートになり、早期出荷が可能となるメリットが有ります。

調理分野では、オートクレーブの原理を利用した圧力鍋を調理に活用することで、密閉容器内の水を100℃以上かつ大気圧以上にすることで熱エネルギーが調理時間の短縮に活用されます。

化学分野では、高圧環境での反応促進や高温環境の浸透性の活用、特定の温度圧力条件下での反応の活用のためにオートクレーブを使用します。

弊社(弊所)では、化学反応用のオートクレーブやリアクターを設計・製造・販売しています。
また、下記の高圧ガス法規上のオートクレーブの定義との整合性を取るため、
弊所では下記のように製品呼称について統一しています。
バッチ式の化学反応装置や圧力容器(耐圧容器、反応器):オートクレーブ(autoclave)
連続式や流通式の化学反応装置や圧力容器(耐圧容器、反応器):リアクター(reactor)

化学反応用オートクレーブと高圧ガス保安法について

化学反応用オートクレーブは、化学反応の種類によって高圧ガスを使用する場合があります。高圧ガスに該当する圧力のガスを使用する場合は、高圧ガス保安法の適用を受けます。しかし、
高圧ガス保安法施行令(適用除外)第二条3の六
オートクレーブ内における高圧ガス(水素、アセチレン及び塩化ビニルを除く。)

適用除外によりオートクレーブ内における高圧ガスは、法の適用を受けません。
ただし、オートクレーブ内における高圧ガスが水素、アセチレン及び塩化ビニルの場合については適用を受けます。


「オートクレーブ」とは、いわゆる「バッチ式反応釜」をいい、
常時配管により他の設備と接続されていない反応釜
になります。

※(参考図)オートクレーブとして認められない反応釜の例(常時配管により他の設備と接続)

高圧ガスの定義について

以下は、ガスの種類と圧力によって、使用するガスが高圧ガスに該当するかについての定義になります。

高圧ガス保安法(定義)第二条
この法律で「高圧ガス」とは、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

■高圧ガス(圧縮ガス)の場合
第二条の一
常用の温度において圧力が一メガパスカル以上となる圧縮ガスであって現にその圧力が
一メガパスカル以上となる圧縮ガス(圧縮アセチレンガスを除く。)

(参考)高圧ガス(圧縮ガス)の場合の高圧ガスの定義

上記から、1MPaに満たない圧縮ガス(アセチレンを除く)は、高圧ガスには該当しません。


■高圧ガス(液化ガス)の場合
第二条の三
常用の温度において圧力が〇.二メガパスカル以上となる液化ガスであって現にその圧力が
〇.二メガパスカル以上であるもの又は圧力が〇.二メガパスカルとなる場合の温度が三十五度以下である液化ガス

(参考)高圧ガス(液化ガス)の場合の高圧ガスの定義

上記から、0.2MPaに満たない液化ガスは、高圧ガスには該当しません。

化学反応用オートクレーブと法的適用区分について

オートクレーブ(反応器、圧力容器)は、下記により適用される区分が異なります。
■圧力容器の容量
■圧力容器の設計圧力(最高使用圧力)

また、高圧ガスを使用する場合で、使用するガスが高圧ガスの適用を受ける場合は、
高圧ガス保安法に則る適用法規区分に分類されます。

詳細は、必ず各種法規原典でのご確認をお願いします。
おおまかな適用区分については、下記資料からもご確認いただけます。

資料名  PDF 
オートクレーブ及びリアクター関連適用法規区分のフローチャート   

圧力容器材料を構成する化学元素の耐食効果

ステンレスやニッケル合金など、圧力容器材料を構成する化学元素添加の主な耐食効果は下記を参照下さい。材料の化学成分(%)などから、おおまかな材料の特性を把握できます。

元素 添加による主な耐食効果
Ni 水酸化ナトリウムなどのアルカリ類、ハロゲンガスに耐食性がある。
高温アルカリや高温ハロゲンガスに対しては高Ni材料であるほど高い耐食性を持つ。
Cr Cr不動態被膜により酸化性酸への耐食性を向上する。高温での酸化などにも有効。
Mo 塩酸、硫酸、酢酸、リン酸など非酸化性酸への耐食性を向上する。
MoはCr不動態被膜を強化する効果も有り、耐食性が向上する。
W 非酸化性酸への耐食性を向上。Moよりも高い耐食性を向上する効果。
Ta Cr不動態被膜を強化し、耐食性を大きく向上する。
Fe 耐食性のメリットはないが、材料コストを低減するメリットがある。 
Cu 非酸化性酸環境や海水への耐食性を向上する。
Nb 強度を向上させる。
Ti 耐粒界腐食性を向上させる。 

化学反応用オートクレーブの候補材質について

化学反応用オートクレーブの材質は、流体に対する耐食性と経済性を両立する材質での製作を検討します。
強い腐食性流体を使用しない場合は、18Cr-8Niの化学成分を主とするオーステナイトステンレスが使用されます。SUS304やSUS304L、SUS316(2Moを添加)、SUS316L等の代表的な鋼種やNiやCr量を増やしたSUS310S、SUS312L(S31254)等、使用条件に応じた様々なステンレスが開発されています。常用250℃以下の温度環境の場合では、低Niで高強度かつコストパフォーマンスに優れる二相系ステンレスのSUS329J4LやS32750が候補材料となる場合も有ります。
ステンレスで耐えない腐食性流体の場合、チタン(Ti)やジルコニウム(Zr702)、ニッケル(Ni201)などの純金属や、ニッケルベースにクロム(Cr)やモリブデン(Mo)、タングステン(W)、Ta(タンタル)、Cu(銅)等を添加した、ニッケル合金(ハステロイ®C276相当材、ハステロイ®C-22相当材、MAT®21(日立金属)、Alloy59(VDM社)、ハステロイ®B-2相当材、ハステロイ®X相当材、インコネル®600相当材、インコネル®625相当材、インコロイ®825相当材、モネル®400相当材、カーペンター®20Cb3相当材)などが候補材料として検討されます。
ふっ素樹脂(PFA)コートや電解研磨等の表面処理も、条件により併用されます。

ステンレスオートクレーブ SUS304/SUS304Lオートクレーブ

SUS304オートクレーブは18Cr-8Niを含有するオーステナイトステンレスとよばれる汎用ステンレスを使用したオートクレーブです。Crにより形成される不動態被膜により耐食性を持ち、経済性も良好なためにスタンダードな圧力容器材料として使用されます。数リットル規模の圧力容器の場合にSUS316との価格差は小さいため、Moを添加して耐食性を高めたSUS316が採用される場合が多いです。
例外として、硝酸環境のようにMoの添加が耐食性に悪影響を及ぼす場合にはSUS304オートクレーブ及び耐粒界腐食性を高めたSUS304Lオートクレーブが採用される場合が有ります。

■SUS304の主要化学成分

Cr Ni Mo Fe
18 8 3.155

■SUS304の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  800℃  9.8N/m㎡
設計許容温度(℃)  500℃  68.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  250℃  80.0N/m㎡

■SUS304Lの圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  400℃  57.0N/m㎡
設計許容温度(℃)  300℃  63.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  200℃  76.0N/m㎡

■SUS304/SUS304Lの耐食性

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
塩酸 C  
塩化ナトリウム C  
フッ酸 C  
硫酸 C  
硫化水素(無水および乾ガス) A <350℃ 
硫化水素(湿ガスおよび水溶液)  B  
硫黄 A 130℃
亜硫酸塩 C
硝酸 A 40%未満
硫硝混酸 A~C  比率による
リン酸 C  
水酸化ナトリウム A 10%以下 
アンモニア(無水およびガス) A  
アンモニア水及び湿蒸気  A  
酢酸 A 99.9%
無水酢酸 B  
クエン酸 B 65℃・<15% 
ギ酸 A  
シュウ酸 C  
エタノール (A)  
メタノール A  

ステンレスオートクレーブ SUS316/SUS316Lオートクレーブ

SUS316オートクレーブは18Cr-8Niを含有するオーステナイトステンレスSUS304にMoを添加して耐食性を高めたSUS316ステンレス鋼を使用したオートクレーブです。Crにより形成される不動態被膜のほか、Moの不動態被膜と、MoによるCr不動態被膜の強化により孔食や隙間腐食への耐食性を高めたステンレスです。SUS316オートクレーブは標準材料として最も高頻度で採用されます。また、使用条件により、耐粒界腐食性を高めたSUS316Lオートクレーブが選択されます。

■SUS316の主要化学成分

Cr Ni Mo Fe
16 12 2 3.155

SUS316の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  800℃  8.8N/m㎡
設計許容温度(℃)  500℃  71.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃  83.0N/m㎡

SUS316Lの圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  450℃  65.0N/m㎡
設計許容温度(℃)  300℃  73.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  250℃  76.0N/m㎡

■SUS316/SUS316Lの耐食性概要

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
塩酸 C  
塩化ナトリウム C  
フッ酸 C  
硫酸 B~C ≦0.25% 
硫化水素(無水および乾ガス) A <350℃ 
硫化水素(湿ガスおよび水溶液)  B  
硫黄 A 130℃
亜硫酸塩 A ≦200℃
硝酸 A 40%未満
硫硝混酸 A~C  比率による
リン酸 A ≦65% 粗リン酸不可 
水酸化ナトリウム A 10%以下 
アンモニア(無水およびガス) A  
アンモニア水及び湿蒸気  A  
酢酸 A 99.9%
無水酢酸 A  
クエン酸 A 100%まで全濃度
ギ酸 A  
シュウ酸 B  
エタノール (A)  
メタノール A  

SUS329J4Lオートクレーブ 二相系ステンレスオートクレーブ

SUS329J4Lオートクレーブはオーステナイト・フェライト系ステンレスで二相系ステンレスの代表的な鋼種であるSUS329J4Lを使用したオートクレーブです。主要成分は25.5Cr-5.5Ni-3.5Moで、硫化水素や塩化物を含む環境に対して耐食性が有り、応力腐食割れに対しても優れた耐性を有しています。高強度特性も特長です。
SUS316と比較し、硝酸、酢酸、リン酸等に対し良好な耐食性が有る材料です。

■SUS329J4Lの主要化学成分

Cr Ni Mo Fe
25.5 5.5 3.5 2.68

■SUS329J4Lの圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  300℃  140.0N/m㎡
設計許容温度(℃)  250℃  141.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  200℃  145.0N/m㎡

■SUS329J4Lの耐リン酸性

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
20%リン酸  A  
40%リン酸  A  
60%リン酸  B  
80%リン酸  C

■SUS329J4Lの耐硝酸性

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
20%硝酸 A  
40%硝酸  A  
60%硝酸 A  

S32750オートクレーブ スーパー二相系ステンレスオートクレーブ

S32750オートクレーブは孔食指数(PRE指数)が40以上になるスーパー二相系ステンレスで、優れた耐食性と強度特性を有したS32750を使用したオートクレーブです。SUS329J4Lより耐局部腐食性に優れ、リン酸や硝酸環境でより優れた耐食性を発揮します。

■S32750の主要化学成分

Cr Ni Mo Fe
25 7 3.8 2.90

■S32750の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  300℃  203.0N/m㎡
設計許容温度(℃)  250℃  205.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  200℃  208.0N/m㎡

■S32750の耐リン酸性

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
20%リン酸  A  
40%リン酸  A  
60%リン酸  B  
80%リン酸  C

■S32750の耐硝酸性

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
20%硝酸 A  
40%硝酸  A  
60%硝酸 A  

S31254オートクレーブ SUS312L相当材オートクレーブ

S31254オートクレーブ(SUS312L相当材)は高クロム高モリブデンの高耐食ステンレス鋼S31254を使用したオートクレーブです。他のステンレスが腐食される高温海水やプラント設備、食品用タンクなどで使用されます。使用環境と経済性から、ニッケル合金やチタンの代替材料として検討される場合があります。

■S31254の主要化学成分

Cr Ni Mo N Fe
20 18 6 0.2 低C

■S31254の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  399℃  119.0N/m㎡
設計許容温度(℃)  350℃  121.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃  125.0N/m㎡

ハステロイ®C276オートクレーブ Ni-Cr-Moオートクレーブ

ハステロイ®C276オートクレーブは耐酸性、塩化物溶液に強い材質で、還元性および酸化性環境で優れた耐食性を示す材料を使用したオートクレーブです。
塩化第二鉄や塩化第二銅のような強酸化剤、有機物や無機物の湿った高温の媒体、塩素、ギ酸、酢酸、無水酢酸、海水や塩水など、広範囲の化学工業プロセス環境に対してすぐれた耐食性を示します。
また、硫黄化合物や塩化物に優れた耐食性を有しています。ハステロイ®C276オートクレーブはさらに腐食性の強い湿塩素ガス、次亜塩素酸塩、二酸化塩素などでも優れた耐食性を示す数少ない材質の一つです。
超臨界水オートクレーブの候補材料でもあります。

■HC276の主要化学成分(UNS N10276)

Ni Cr Mo Fe W
55 16 16 6 4 3

HC276の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  675℃  42.2N/m㎡
設計許容温度(℃)  625℃  81.6N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃  131.0N/m㎡

■HC276の耐食性概要

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
塩酸 A~C A:≦1%
塩化ナトリウム A
フッ酸 C
硫酸 A~B (濃度により沸点以下)
硫化水素(無水および乾ガス) C
硫化水素(湿ガスおよび水溶液)  A
硫黄 C
亜硫酸塩 A ≦200℃
硝酸 A~C ≦0.5%
硫硝混酸 C
リン酸 A ≦85%
水酸化ナトリウム A ≦50%
アンモニア(無水およびガス) A
アンモニア水及び湿蒸気  A
酢酸 A ≦80%
無水酢酸 A
クエン酸 A
ギ酸 A
シュウ酸 A~C A(15%、20℃)
エタノール A
メタノール A

ハステロイ®C-22オートクレーブ Ni-Cr-Moオートクレーブ

ハステロイ®C-22オートクレーブはハステロイ®C276オートクレーブと同様の性質で、HC276オートクレーブより酸化性環境での耐食性および耐孔食性、耐すき間腐食性が優れた材料を使用したオートクレーブです。
ハステロイ®C-22オートクレーブは酸化性および還元性の両方の媒体にすぐれた耐食性を示し酸化・還元の両条件がくり返し起こるプロセスや機器に使用可能です。
ハステロイ®C-22オートクレーブは塩化第二鉄や塩化第二銅のような強酸化剤、有機物や無機物の湿った高温の媒体、塩素、ギ酸、酢酸、無水酢酸、海水や塩水など、広範囲の化学工業プロセス環境に対してすぐれた耐食性を示します。
また、超臨界水オートクレーブの候補材料の1つです。

■HC-22の主要化学成分(UNS N06022)

Ni Cr Mo Fe W V C
57 20.5 14.2 2.3 3.2 0.25 0.01 2.54

HC-22の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  675℃  40.9N/m㎡
設計許容温度(℃)  625℃  83.9N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃  142.0N/m㎡

■HC-22の耐食性概要(ハステロイ®C系合金内での比較、HC276を基準としての評価)

沸点条件 濃度 HC276 HC-22 Alloy59 MAT®21 INC-625
硫酸 10% B B+ B++ A C
硫酸 20% B B+ n.d. n.d. B-
硫酸 30% C C- n.d. n.d. C--
硫酸 50% C C- C+ B n.d.
塩酸 1.0% B B+ n.d. A C
塩酸 1.5% B B- A A C
塩酸 2.0% C C- n.d. A C--
塩酸 4.0% C C- n.d. B n.d.
塩酸 5.0% C C- n.d.  B- n.d.
硝酸 10% B A+ A+ A- A++
硝酸 65% C C++ B C+ B+
燐酸 55% B B- n.d. n.d. B+
燐酸 85% C C- n.d. B C+
酢酸 99% A A+ n.d. n.d. A-
塩化第二鉄 10% A A+ n.d. n.d. C
ギ酸 88% A A+ n.d. n.d. B

Alloy59オートクレーブ Ni-Cr-Moオートクレーブ

Alloy59オートクレーブはHC276とHC22の欠点を克服する材料としてVDM社によって開発されたAlloy59を使用したオートクレーブです。Alloy59は化学、石油化学や公害防止工業等における最も厳しい腐食問題へのソリューションを提供する材料の1つです。Alloy59はCrおよびMo含有濃度が高く、Fe含有濃度が低く、他の合金元素含有が限りなく少ない純粋なニッケルクロムモリブデン合金です。ハステロイC系合金の中で耐食性と熱履歴安定性に優れる材料です。
Alloy59オートクレーブはHC276やHC22より耐食性が重要で過酷な条件に採用されます。

■Alloy59の主要化学成分(UNS N06059)

Ni Cr Mo Fe Mn Al Co Si P C S
23 16 1.5 0.5 0.4 0.3 0.1 0.015 0.01 0.005

Alloy59の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  750℃  35.7N/m㎡
設計許容温度(℃)  725℃  43.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃  150.0N/m㎡

■Alloy59の耐食性概要(ハステロイ®C系合金内での比較、HC276を基準としての評価)

沸点条件 濃度 HC276 HC-22 Alloy59 MAT®21 INC-625
硫酸 10% B B+ B++ A C
硫酸 20% B B+ n.d. n.d. B-
硫酸 30% C C- n.d. n.d. C--
硫酸 50% C C- C+ B n.d.
塩酸 1.0% B B+ n.d. A C
塩酸 1.5% B B- A A C
塩酸 2.0% C C- n.d. A C--
塩酸 4.0% C C- n.d. B n.d.
塩酸 5.0% C C- n.d.  B- n.d.
硝酸 10% B A+ A+ A- A++
硝酸 65% C C++ B C+ B+
燐酸 55% B B- n.d. n.d. B+
燐酸 85% C C- n.d. B C+
酢酸 99% A A+ n.d. n.d. A-
塩化第二鉄 10% A A+ n.d. n.d. C
ギ酸 88% A A+ n.d. n.d. B

MAT®21オートクレーブ Ni-Cr-Mo-Taオートクレーブ

MAT®21オートクレーブは日立金属(株)のニッケルクロムモリブデンタンタル合金のMAT®21を使用したオートクレーブです。MAT®21はニッケルを主体にクロム、モリブデン、タンタルを添加して耐食性を向上した合金です。酸化性・非酸化性のいずれの環境に対しても優れた耐食性を有します。幅広い環境で安定した耐食性を示すことから、混合環境や多目的・多反応プラントに適する材料です。
MAT®21オートクレーブはHC276やHC22より耐食性が最重要な環境に採用されます。

■MAT®21の主要化学成分(UNS N06210)

Ni Cr Mo Ta Fe
59 19 19 1.8 1(MAX)

MAT®21の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  425℃  121.0N/m㎡
設計許容温度(℃)  400℃  123.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃  137.0N/m㎡

■MAT®21の耐食性概要(ハステロイC系合金内での比較、HC276を基準としての評価)

沸点条件 濃度 HC276 HC-22 Alloy59 MAT®21 INC-625
硫酸 10% B B+ B++ A C
硫酸 20% B B+ n.d. n.d. B-
硫酸 30% C C- n.d. n.d. C--
硫酸 50% C C- C+ B n.d.
塩酸 1.0% B B+ n.d. A C
塩酸 1.5% B B- A A C
塩酸 2.0% C C- n.d. A C--
塩酸 4.0% C C- n.d. B n.d.
塩酸 5.0% C C- n.d.  B- n.d.
硝酸 10% B A+ A+ A- A++
硝酸 65% C C++ B C+ B+
燐酸 55% B B- n.d. n.d. B+
燐酸 85% C C- n.d. B C+
酢酸 99% A A+ n.d. n.d. A-
塩化第二鉄 10% A A+ n.d. n.d. C
ギ酸 88% A A+ n.d. n.d. B

インコネル®625オートクレーブ Ni-Cr-Mo-Nbオートクレーブ

インコネル®625オートクレーブはニッケルクロムモリブデンニオブ合金のインコネル®625を使用したオートクレーブです。インコネル®625は良好な耐酸化性に加え、多くの腐食環境に対して優れた耐食性を示します。さらに塩素イオンに起因する応力腐食割れは生じません。
淡水、海水、中性塩類、アルカリ類にほとんど腐食されず、広範囲の厳しい腐食環境に対して良好な耐食性を示します。酸化性薬品に耐食性を有し還元性雰囲気にも耐食性を持つため異なる性質を持つ酸の混合液など化学廃棄物にも良好な耐食性を示します。また、超臨界水オートクレーブの候補材料の1つです。

■インコネル®625の主要化学成分(UNS N06625)

Ni Cr Mo Fe Nb+Ta
61 21.5 9 2.5 3.7 2.3

インコネル®625の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  649℃ 88.9N/m㎡
設計許容温度(℃)  625℃ 137.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃ 199.0N/m㎡

■インコネル®625の耐食性概要
 (ハステロイ®C系合金内での比較、HC276を基準としての評価)

沸点条件 濃度 HC276 HC-22 Alloy59 MAT®21 INC-625
硫酸 10% B B+ B++ A C
硫酸 20% B B+ n.d. n.d. B-
硫酸 30% C C- n.d. n.d. C--
硫酸 50% C C- C+ B n.d.
塩酸 1.0% B B+ n.d. A C
塩酸 1.5% B B- A A C
塩酸 2.0% C C- n.d. A C--
塩酸 4.0% C C- n.d. B n.d.
塩酸 5.0% C C- n.d.  B- n.d.
硝酸 10% B A+ A+ A- A++
硝酸 65% C C++ B C+ B+
燐酸 55% B B- n.d. n.d. B+
燐酸 85% C C- n.d. B C+
酢酸 99% A A+ n.d. n.d. A-
塩化第二鉄 10% A A+ n.d. n.d. C
ギ酸 88% A A+ n.d. n.d. B

インコロイ®825オートクレーブ Ni-Fe-Crオートクレーブ

インコロイ®825オートクレーブはモリブデン、銅、チタンが添加されたニッケル鉄クロム合金のインコロイ®825を使用したオートクレーブです。インコロイ®825は海水、亜硫酸ガス、硫酸、リン酸、硝酸、有機酸など広範な腐食環境に耐食性を示します。特に還元性酸に対して良好な耐食性を持つ材料の一つです。

■インコロイ®825の主要化学成分(UNS N08825)

Ni Cr Mo Cu Fe  Ti
42 21.5 3 2.2 30 0.9

インコロイ®825の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  538℃ 113.0N/m㎡
設計許容温度(℃)  525℃ 115.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃ 124.0N/m㎡

■インコロイ®825の耐食性概要

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
塩酸 C
塩化ナトリウム A
フッ酸 C
硫酸 A~C A:≦25%
硫化水素(無水および乾ガス) C
硫化水素(湿ガスおよび水溶液)  C
硫黄 C
亜硫酸塩 C
硝酸 A~C A:≦70%
硫硝混酸 C
リン酸 A~C A:≦85%
水酸化ナトリウム A~C A:≦50%
アンモニア(無水およびガス) C
アンモニア水及び湿蒸気  C
酢酸 A~C A:≦80%
無水酢酸 C
クエン酸 C
ギ酸 A
シュウ酸 C
エタノール (A) 腐食性物質なしの時
メタノール  (A) 腐食性物質なしの時

カーペンター®20Cb3オートクレーブ N08020オートクレーブ

カーペンター®20Cb3オートクレーブは銅とモリブデンを添加したニッケル鉄クロム合金のカーペンター®20Cb3を使用したオートクレーブです。
カーペンター®20Cb3は硫酸をはじめ塩化物、硝酸、リン酸を含む環境に良好な耐食性を示します。広範な成分比の硫硝混酸に耐食性を示す点も特長の1つです。

■カーペンター®20Cb3の主要化学成分(UNS N08020)

Ni Cr Mo Cu Fe Nb+Ta
35 20 2.5 3.5 37 1.0

カーペンター®20Cb3の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  427℃ 114.0N/m㎡
設計許容温度(℃)  400℃ 119.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃ 123.0N/m㎡

■カーペンター®20Cb3の耐食性概要

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
塩酸 C
塩化ナトリウム A~C A:飽和液
フッ酸 C
硫酸 A~C A:≦25%
硫化水素(無水および乾ガス) C
硫化水素(湿ガスおよび水溶液)  A
硫黄 C
亜硫酸塩 A~C A:中間温度
硝酸 A~C A:≦40%
硫硝混酸 A~C 概ねの混合比でA級
リン酸 A 85~100%時(100℃まで)
水酸化ナトリウム A~C A:≦50%
アンモニア(無水およびガス) A 金属窒化しない温度まで
ガスの解離しない温度まで
アンモニア水及び湿蒸気  A
酢酸 A 99.9%まで
無水酢酸 A
クエン酸 A
ギ酸 A
シュウ酸 A
エタノール (A) 腐食性物質ありのとき≦25%
メタノール  A  

インコネル®600オートクレーブ Ni-Cr-Feオートクレーブ

インコネル®600オートクレーブはニッケルクロム鉄合金のインコネル®600を使用したオートクレーブです。インコネル®600は高温での耐酸化性と高強度が特長で、有機酸やアルカリ溶液に対して優れた耐食性を示します。材料強度要求される場合には純ニッケルの代替候補材料になります。

■インコネル®600の主要化学成分(UNS N06600)

Ni Cr Mo Fe
76 15.5 8

インコネル®600の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  649℃ 13.8N/m㎡
設計許容温度(℃)  550℃ 40.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃ 138.0N/m㎡

■インコネル®600の耐食性概要

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
塩酸 C
塩化ナトリウム A
フッ酸 C
硫酸 C
硫化水素(無水および乾ガス) A 遊離S1.5%、950℃
硫化水素(湿ガスおよび水溶液)  C A:常温のみ
硫黄 A <360℃
亜硫酸塩 B
硝酸 C
硫硝混酸 C
リン酸 C
水酸化ナトリウム A~B A:≦70%
アンモニア(無水およびガス) A
アンモニア水及び湿蒸気  A
酢酸 A~C A:≦10%
無水酢酸 B
クエン酸 B
ギ酸 C
シュウ酸 C
エタノール (A) 腐食性物質ありの時、常温
メタノール  (A) 腐食性物質ありの時、常温

ハステロイ®B-2オートクレーブ Ni-Moオートクレーブ

ハステロイ®B-2オートクレーブはニッケルモリブデン合金のハステロイ®B-2を使用したオートクレーブです。ハステロイ®B-2は優れた耐塩酸性、耐硫酸性を有します。全ての濃度および沸点までの温度の塩酸を使用する用途に、特に適しています。また、塩化水素ガス、硫酸、酢酸、およびリン酸にも耐食性を持っています。

ただし、ハステロイ®B-2は塩酸が鉄や銅と接触することで生成される、塩化第二鉄や塩化第二銅により腐食が起こりますので、鉄管や銅管と連結して使用をしないでください。

■ハステロイ®B-2の主要化学成分(UNS N10665)

Ni Cr Mo Fe C Si
69.0 28.0 1.0 0.01 0.05

ハステロイ®B-2の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  427℃ 176.0N/m㎡
設計許容温度(℃)  400℃ 181.0N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃ 189.0N/m㎡

■ハステロイ®B-2の耐食性概要

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
塩酸 A~B+ A:≦5% B+:≧5%
塩化ナトリウム A
フッ酸 C
硫酸 A
硫化水素(無水および乾ガス) C
硫化水素(湿ガスおよび水溶液)  C
硫黄 C
亜硫酸塩 A~C A:中間温度
硝酸 C
硫硝混酸 C
リン酸 A フッ酸を含む粗リン酸には不可
85~100%(100℃まで)
≧100%(204℃)
水酸化ナトリウム A A≦50%
アンモニア(無水およびガス) A
アンモニア水及び湿蒸気  C
酢酸 A 99.9%まで
無水酢酸 A
クエン酸 B
ギ酸 A
シュウ酸 C
エタノール A
メタノール  A  

モネル®400オートクレーブ Ni-Cuオートクレーブ

モネル®400オートクレーブはニッケル銅合金を使用したオートクレーブです。モネル®400は塩化物溶液や広範なアルカリに対して優れた耐食性を示します。海水や塩水環境の用途にも適しています。高温までのフッ素ガスや脱気状態のフッ酸やフッ化物に対する耐食性に優れる数少ない材料です。

■モネル®400の主要化学成分(UNS N04400)

Ni Cr Mo Cu Fe
66.5 31.5 1.2

モネル®400の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  482℃ 41.8N/m㎡
設計許容温度(℃)  450℃ 78.5N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃ 90.3N/m㎡

■モネル®400の耐食性概要

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
塩酸 A~C A:≦1%(空気なし)
B:≦1%
塩化ナトリウム A
フッ酸 A~B A:空気なし
空気かくはん時C級
空気飽和溶液は不可
硫酸 A~C A:≦25%
(空気なし、かくはんなし)
硫化水素(無水および乾ガス) A
硫化水素(湿ガスおよび水溶液)  B
硫黄 B~C B:(93℃、溶融物不可)
亜硫酸塩 B
硝酸 C
硫硝混酸 C
リン酸 B~C B:純液、空気なし、中間温度
水酸化ナトリウム A~B A:≦70%
B:70%~無水
B:融解NaOH(≦480℃)
アンモニア(無水およびガス) B~C B:常温のみ
アンモニア水及び湿蒸気  A~C A:20℃以下
酢酸 B B:99%まで
無水酢酸 C
クエン酸 B
ギ酸 B~C
シュウ酸 A
エタノール (A) A:腐食性物質ありの時、常温
メタノール  A  

ニッケル201オートクレーブ Ni201オートクレーブ

ニッケルオートクレーブは純ニッケルのニッケル201を使用したオートクレーブです。ニッケルはハロゲンガスや水酸化ナトリウムなどのアルカリ類に対して優れた耐食性を有します。高温ハロゲンガスや高温アルカリ溶液を使用する場合に使用されます。

■ニッケル201の主要化学成分(UNS N02201)

Ni Cr Mo Cu Fe C
99.5 0.01

ニッケル201の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  649℃ 8.2N/m㎡
設計許容温度(℃)  450℃ 40.3N/m㎡
標準設計温度(℃)  350℃ 42.7N/m㎡

■ニッケル201の耐食性概要

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
塩酸 A~C A:≦1%(空気なし)
塩化ナトリウム A~C A:飽和液(93℃)
A:希溶液(6%,20℃)
フッ酸 A~C A:(≦50%、空気なし)
B:(≦50%、空気なし、145℃)
硫酸 C
硫化水素(無水および乾ガス) C
硫化水素(湿ガスおよび水溶液)  B
硫黄 C
亜硫酸塩 C
硝酸 C
硫硝混酸 C
リン酸 C
水酸化ナトリウム A B:(73~98%、180~450℃)
アンモニア(無水およびガス) A
アンモニア水及び湿蒸気  C A:20℃
酢酸 B B:≦80%
無水酢酸 B
クエン酸 B
ギ酸 B~C
シュウ酸 A~C A:(飽和、20℃)
エタノール (A) 腐食性物質ありの時、常温
メタノール  A  

チタンオートクレーブ Tiオートクレーブ

チタンオートクレーブは純チタンを使用したオートクレーブです。チタンは塩化物、酸化性の酸(硝酸、クロム酸など)、有機酸(酢酸、酒石酸など)、塩素や次亜塩素酸を含む水溶液等に対して優れた耐食性を示します。
圧力容器材料としてのチタンは汎用グレードのチタン2種(TB340)、高温強度や高強度が要求される場合はチタン3種(TB480)など用途に応じて、チタン2種オートクレーブとチタン3種オートクレーブを選択します。

■チタン2種の主要化学成分(TB340)

Ti C H O N Fe
99.5 0.08 0.013 0.2 0.03 0.25

チタン2種の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  350℃ 29N/m㎡
設計許容温度(℃)  300℃ 41N/m㎡
標準設計温度(℃)  200℃ 54N/m㎡

■チタン3種の主要化学成分(TB480)

Ti C H O N Fe
99.2 0.08 0.013 0.3 0.05 0.3

チタン3種の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  350℃ 43N/m㎡
設計許容温度(℃)  325℃ 46N/m㎡
標準設計温度(℃)  300℃ 76N/m㎡

■チタンの耐食性概要

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
塩酸 C
塩化ナトリウム C
フッ酸 C
硫酸 C
硫化水素(無水および乾ガス) C
硫化水素(湿ガスおよび水溶液)  C
硫黄 B 240℃
亜硫酸塩 A~C A:中間温度
硝酸 A A≦95%
硫硝混酸 C
リン酸 C A:(25%、70℃)
水酸化ナトリウム A~C A:≦30%
アンモニア(無水およびガス) C
アンモニア水及び湿蒸気  A A:飽和液、100℃
酢酸 A
無水酢酸 A
クエン酸 A A:(50%、100℃)
ギ酸 A~C A:100℃ 空気なし
シュウ酸 A~C A:21℃
エタノール (A) 腐食性物質ありの時、≦30℃
メタノール  (A) 腐食性物質ありの時、不可 

ジルコニウムオートクレーブ Zr702オートクレーブ

ジルコニウムオートクレーブは純ジルコニウム(ジルコニウム702)を使用したオートクレーブです。ジルコニウムは塩酸、硝酸、赤色発煙硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、乳酸、クエン酸など酸化性酸と非酸化性酸に優れた耐食性を示します。また、沸点までのアルカリ類や次亜塩素酸、海水にも良好な耐食性を有します。
ジルコニウムオートクレーブは広範な酸を使用する用途の場合に選択されます。

■ジルコニウム702の主要化学成分(UNS R60702)

Zr Fe+Cr H N C O
99.2 0.2 0.005 0.025 0.05 0.16

ジルコニウム702の圧力容器設計概要データ

  温度(℃) 安全係数適用許容引張応力(N/m㎡)
設計限界温度(℃)  371℃ 35.5N/m㎡
設計許容温度(℃)  325℃ 40.3N/m㎡
標準設計温度(℃)  200℃ 63.7N/m㎡

■ジルコニウム702の耐食性概要

流体(沸点)  耐食性等級 A/B/C 特記事項 
塩酸 A ≦30%、(沸点まで全濃度)
塩化ナトリウム A 飽和液、100℃
フッ酸 C
硫酸 A~C A:<70%
硫化水素(無水および乾ガス) C
硫化水素(湿ガスおよび水溶液)  C
硫黄 C
亜硫酸塩 C
硝酸 A
硫硝混酸 C
リン酸 A~C A:<60%
水酸化ナトリウム A~C A:≦10%、(沸点まで全濃度)
アンモニア(無水およびガス) C
アンモニア水及び湿蒸気  C
酢酸 A
無水酢酸 C
クエン酸 A
ギ酸 A
シュウ酸 A
エタノール A
メタノール  A 腐食性物質ありの時、90%、65℃

合金の商標について

ハステロイ®はヘインズ社の登録商標です。
インコネル®、インコロイ®、モネル®はスペシャルメタルズ社の登録商標です。
MAT®は日立金属株式会社の登録商標です。
Alloy59はVDM社の登録商標です。
カーペンター®はカーペンターテクノロジー社の登録商標です。

圧力容器材料(商標材料)の材料対照について

ハステロイ®、インコネル®、インコロイ®、モネル®、カーペンター®、MAT®、VDM®Alloy59などの圧力容器材料は基本的にUNS合金番号での対照によります。
場合により、JIS規格の合金番号による材料の対照を行います。

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